春の沈黙を寿ぐ。
2016年 03月 28日
まもなく散るのではない、次の春に備えて沈黙するのだ。
誕生日が嬉しかったのはいつまでだったろうか。
もちろん、今でも、おめでとうと言われると、嬉しいし、結婚して妻からあれこれ気をつかってもらうのも、また新鮮だものだ。
そして何より、自分が生まれた日、というより、産んでもらった日なのだ、という意識が芽生えてくるようにもなった。
しかし、やはり誕生日をウキウキと迎えていた子どもの頃とは違って、その日を普通に仕事で終わらせる、ということが当たり前になっている。
まあ、誕生日だから早く帰る!というのではないことの方が当然なのだろうし、30も半ば、安部礼司的年齢になれば、年ばっかり食うなあ、といった感慨の方が多いのだけれど。
そんな折、こんな言葉を聞いた。
「誕生日というのは、また一年生きていられたっていうことなんですよ」
これは新鮮だった。
そんな言葉を、十代の口から聞いた。
そうか、そうだよな、と思った。
そしてやっぱり誕生日はありがたいことなんだな、と思った。
桜があちこちで咲き始め、早咲きの桜はすでに葉を見せはじめている。
そう、桜の木々もまた、来年に備えて散るのだ。散らねばならないのだ。
by eureka_kbym
| 2016-03-28 00:12
| EOS6D
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