徒歩で
2008年 03月 16日
すべてのお店がシャッターをおろしきれず
帰る所のない人のために
ぽつぽつとにぎやかな灯りを
もらしている午前零時に
重たいはずの足取りで
さっそうと歩く後ろ姿をみた
すべての人が布団に体を埋めきれず
笑い足りないむなしさのために
ぽつぽつとさびしげな灯りを
もらしている25時間目に
やっと安堵したはずの足取りで
よろよろと歩く後ろ姿をみた
よるべない自分の体だから
どこがどうかなしくて
なにがどのように切ないのか
自分で説明せねばならない
けれども、とにかく夜は深くて
きちんと整備されたアーケードの下を
とつとつと歩けば
自分の度し難い感情を
雑草のように踏みつぶしていくだけ
素直になればきっと
こんな夜すらも
すてきな思い出に変わるのだろうけれど
僕の角度は傾いているから
そっと通り過ぎていく疲れた顔や
よっぱらいの千鳥足を
ひたすらに眺めて
自分と同じうつむき加減の後ろ姿を
ただ、ただ、見つめているだけなのだ。
by eureka_kbym
| 2008-03-16 11:30
| kodakV570
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